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2008.06.17

クリーニングの棟方

 それは行方だ。

 小学校に入学する直前のハナシなので、随分と前のことになる。わしの実家がある青森県弘前市では、地元の新聞陸奥新報が主催する、"新1年生おめでとう大会"なる催しが開かれている。わしが小学校に入学する直前にも参加したし、今年小学生になった子供も参加している、という随分長く続いているイベントだ。

 このイベントでは子供に学研の科学が配られる。学研がスポンサーなのだろうが、当時のわしの心がわしづかみにされまくって6年間購読してしまうアリサマだった。今日もそうなのだろうか? 内山安二なき今どんな内容になっているか調べるために購読するか、などと思ってしまう。

 って学研はどうでもよかった。ハナシを戻して…

 新1年生おめでとう大会が開かれるのは弘前市民会館前川國男デザインの墓石のような建物だ(前川がデザインした建物である弘前市立病院がよりによって通っていた小学校のまん前にあって、6年間墓石のような建物を見続けることになるのは今後語る) その市民会館大ホールの幕に、インパクトがでかい絵が描いてある。新1年生おめでとう大会に出席した他の新1年生どもは気にしていなかったが、そのあまりの不気味さにわしわ釘付けになった。その幕の絵を描いた人物こそ、棟方志功である。

 以降、毎年数回は市民会館を訪れたものだが、幕の絵に毎度釘付けになった。あまりのインパクト、そして人物の躍動感。絵の人物を生かすにはこれだ!と思いよくマネしたがマネしきれなかった(笑)のもいい思い出だ。

 上京して幾星霜、弘前市民会館に行かなくなってから20年が経過した… が、棟方はわしのアジトから手が届く位置にいてくれたのだった。今、仕事でくたびれている時だからこそ棟方を見なければならぬ、と決意したわしわ、鎌倉にある棟方版画美術館に向かった。

 相鉄線、小田急江ノ島線と江ノ電を乗り継いで七里ケ浜駅まで、それから鎌倉山をのぼっていくと棟方美術館がある。駅から20分以上は歩いたと思う。かなり山の中で、付近に住んでいる人たちは皆好き好んでここにいるものとみた。

 今やっている展示は、"二つの東海道棟方版画"。東海道五十三次を版画であらわしたものだ。棟方の作品は、人物中心の版画ばかり見てきたわしだが、風景版画ばかりだったので驚いた。こういうのも描いていたのだなあ。
 いずれにせよ、木一本までもが生きているあいかわらずのいい版画だった。多分今マネしてもマネしきれないと思う(笑)

 ここは、何種類もの鳥の鳴き声や路傍のあじさい(!)があるような環境にあるいい美術館だ。棟方のアトリエ跡に建っているとのことだが… 生きている感じは版画と同じだ。わしの些細なくたびれなどどうでもいいことに思えた(笑)

 山を軽く歩いたので疲れたが、たまにはこういうのもいい。版画を見ていたら市民会館の事も鮮明に思い出せたしな。

 棟方志功の写真を見たり、ドキュメンタリーを見たりするといつも思う事は… この人は青森を捨てていなかったなあ、ということだ。ていうか、わしが子供の頃こういうじじいはよく見かけた。わしの祖父も含めてな(笑)

P.S.
 これは棟方志功記念館愛染苑に行かなければならぬか… その前に、実家へのみやげは十万石まんぢゅうか(笑) この菓子を作ってる菓子屋の地元行田市に長い事住んでいたのに、その頃はいっぺんもみやげにしなかったのは… おかんが甘い物嫌いだからに他ならないな。

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